京都市伏見区の京都アニメーション第1スタジオで35人が犠牲になった放火殺人事件で、2階のベランダから飛び降りて腰や腕を強打した50代の男性社員が朝日新聞の取材に応じ、一瞬で迫ってきた煙の恐怖について語った。体の痛みを抱えたまま、7月下旬から仕事に復帰。「これからも質の高い作品をつくるからな」。亡くなった多くの仲間たちにこう誓っている。
7月18日午前10時半ごろ。男性は3階建ての第1スタジオの2階にいて、新作アニメの背景画を描いていた。「火事だー」との叫び声が響いた。それから10秒ほどでらせん階段とメインの階段から、真っ黒な煙が2階まで上がってきた。
30秒も経たないうちに部屋が暗闇に。周りがぜんぜん見えない。「叫び声を聞いてから1分も経っていなかった。電気はついていたと思うが、それもわからなかった。熱風もすごかった」
避難訓練で使っていたメインの…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル